2016年
6月
30日
木
筆 新たなパーマ技術の開発者。 ブログNo.38
前ブログ(No.37)で書いた通り今回のお客様は髪を伸ばしながら傷みを直したい言う要望でした。そのためにより強く傷みが残る毛先を切り落とすことが出来ず、シフトした施術内容を維持しながら、傷んだ毛先を伸びた分より少なめにカットして伸ばして行きました。
その効果は徐々に現れ、確実に指通りは良くなり、カール感(かかった感じ)を取り戻しながら、9ヶ月目に断毛が止まったのです。
さらに1年後には施術ペースが3週間に1度から4週に1度(カルテで確認)に広がりました。そして次第にカラーの色持ちも良くなり、お客様の時間の有効活用とコストダウンに寄与しながら、施術内容の管理も楽になって行きました。
断毛が起きていた頃は、部屋やお風呂などでその髪を拾うのが毎日の仕事だったそうで、指は通らず艶もなく、バサバサで、スタイリングに時間がかかり、そのスタイルも直ぐに壊れると言う、とても憂鬱な状態だったそうです。
そのため勧められるままに何度も方法や薬品を変えたのですが、料金が高くなるだけで、改善の効果(指通り、断毛、艶、持ちなど)は全く感じられず、不安だけが強く残ったとのことでした。
この不安が不信感に変わるのですが、断毛の止まったパーマの内容を観察比較するうちに、いろんな点で従来のパーマとは全く違う物だと感じたそうです。
※このお客様の状態を配慮できずに、「傷むのは仕方がない」と言う美容師は最悪です。
※通常のパーマ剤とカラー剤だけで、傷みを計画的に改善することを技術といいます。
※道具扱いの違いを基本施術といい、やり方に違いがあるためお客様も気付くのです。
2016年
6月
01日
水
筆 新たなパーマ技術の開発者。
ブログNo.36 カルテを使用していなかった頃の私は、施術内容をその都度組立てていたため、これが適度な緊張感と慎重さとなって、大きな失敗を防ぐ油断をしない施術と結び付いていたようです。
このような状態に至った理由は、ほんの少しの違いでかかり具合が変わるとか、傷みが増えると言う経験をしていたからです。さらに同じ施術をしているつもりでも、それが出来ていないことを結果から薄々感じていたからでもあります。
これらの経験から「油断は敵」と言う意識が芽生え、やがてそれは用心深さに変わり、結果として後から補整の利くかかり具合の実現につながったようです。
一方、カルテを取るようになって感じたことは、個人差への配慮より「カルテの内容に縛られる」と言う不自由さでした。さらに毎回していた施術の組み立ても甘くなり、記録を信じてしまう自分がいました。にもかかわらず判断に迷うと、カルテがあるゆえに頼ってしまい逆に失敗(不信感)することが多くなります。
これに反発した私はカルテを当てにしなくなり、その内にカルテをやめてしまうのですが、実はカルテの良い点も認めていたため、単にやめるのではなくデータ(施術観察の蓄積と新たなカルテの書式)の収集は続けていました。
そして毎回施術を組立てると言う、開店当時のスタイルに戻ると共に、初めて見たときのカルテの印象は「メモだった」に変わります。そのため施術内容を改善する能力のない、住所録でしかないことを再確認することになります。
※カルテのメモ化とは、施術改善のヒントを残さないカルテを指します。