これに経験値が加わり「技術レベル」は高まる物なのですが、
不安定な従来型パーマは目的と違うかかり具合になり易く、
機能性を語る以前の調整に問題のあることがわかりました。
そのため機能性を意識的に変更することが出来ないのです。
(道具が変わっても、調整の管理は必要です)
協会の提供したい「嬉しいパーマ」とは、
髪を洗った後の、
●楽なスタイリング。 (高い実用性=毎日の身だしなみの簡単実現)
●格好の良さ。 (形の良し悪し=心をウキウキさせる高揚感)
●傷みの少なさ。 (高い安全性=指通りのいい爽快なパーマ感)
●持ちの良さ。 (持続性=低コストでお得が感じられる技術)
など、パーマの利点(効果)をお客様に一つでも多く提供することです。
このような効果を機能性と言い、これがパーマに求められる付加価値となり、お客様と美容師の夢を叶える源となります。要するにパーマをかけて良かったと、実感してもらうことが重要で、つかの間の変身だけではダメなのです。
ただし、この機能性は美容師の腕と、髪条件で大きく変わるため、単なる道具の変更(薬品&器具)で得らるほど単純な物ではありません。
では、皆さんの見慣れたヘアスタイルで、この機能性を紹介してまいりますが、「持ち」と「安全性」の説明は感覚的になる為、ここでは省かせて頂きました。
さて「強いパーマはチリチリになる…」が常識のように言われているのですが、「果たして本当なのか…」。(常識は疑うことで前進が始まる)
先ずは、強いかかり具合のパーマで、そのチリチリ感の確認を行います。
★楽さとチリチリ感の確認。
1 強いパーマを手グシで形にする。 (ロット編ハンドブロー)
注意 ここで紹介する動画は、楽さ(機能性)を紹介する物で、形はその結果です。
細いロットで巻いた強いパーマですが、チリ付きやビリ付感はなく、ロットを巻いた痕跡(スライス痕)やゴム痕(止め方)も根元には残りません。さらにこれが手グシで形になると言う、従来型パーマの常識では考えられない性能を持ちます。
※楽さは、嬉しいパーマの機能が複数合わさり実現する効果です。
パーマに嫌なイメージ(取れる、チリ付く、形作りが面倒、傷み)を抱くお客様、従来型パーマの常識(経験値)を疑わない美容師さんには、信じられない形の作り方ではないでしょうか… これならオシャレの質を下げずに手間も省け、整髪剤も不要になるため、高い実用性を備えた理想のパーマと私は考えます。
この様に毎日を便利にするパーマを長年待ち望んでいたのですが、従来型パーマではこれが実現せず、そんなパーマにお客様はガッカリし、自信の持てない美容師はパーマを勧めなくなり、薬品の良し悪しで切り抜け様として来たようです。
そもそもこの薬品に依存する他力本願さが、調整に問題のある現われで、美容師の技術レベルの低下と無責任さを指すのです。それが現在も続いている為、今は「直ぐに取れて傷むパーマ」となり、パーマ自体の必要性が危ぶまれる状況です。そんな調整の理論が解明され、動画での内容紹介が出来る様になりました。
※パーマ後1.5ケ月位でカットをし、1.5~2ヶ月で次のパーマへと言う施術サイクルです。
※このサイクルではこの程度の強さに調整しないと、カットの出来ないパーマになるのです。
2 少し強いパーマを手グシで形にする。 (ロット編ハンドブロー)
1の強さよりやや弱いパーマですが、楽さはご覧の通りです。この楽さがさらなるアレンジの土台となり、お遊び気分で髪型を変えても洗えば元に戻ると言う、超嬉しいオマケを基本調整(高性能化=新たなパーマ)はお客様に提供いたします。
この基本調整の内容が最適化すると、パーマのかけっぱなしが、セットのような表情を見せる場合もあるのです。※このしなやかで柔らかな表情も、基本調整の効果です。
3 弱いパーマを手グシで形にする。 (ロット編ハンドブロー)
どうすれば、細いロットでこのような特大のカールが作れるのか…
ロットを外したカールがセットのように見える理由は、根元が確実に動き、傷みの極少化が実現しているからです。しかし、パーマとセットを理論混同すると、太いロットを選択するため、根元と傷みの調整が出来なくなりクルッとしたカールにはならないのです。そのためセットに見間違うようなロットアウトにはならず、パーマも取れ易いのです。持ちは紹介する3つの強さの中で一番悪く、強さと持ちは常に関連(積み重ねた観察事例)することを知っておいてください。
※つまり、弱いパーマを、長く持たせる方法はないのです。
●強さの違う3つの動画からわかった事。(基本調整の効果)
★手グシが可能な理由は、パーマの強弱に関係なく指通りが良いからです。
★そのため強いパーマでも指通りは良く、手グシで形作りが出来るのです。
★つまり、パーマの強さと指通りの良し悪しは、別問題だと言うことです。
★髪の傷みと皮膚炎症は同じため、指通りの良さは安全性の高さを現します。
★調整が適切なら、細いロットを巻いてもチリ付きビリ付きは出ないのです。
★スライス痕やゴム痕は、調整が適切に行われていない証拠となります。
★手グシで済む形作りは、最低限の身だしなみを最短時間で実現するのです。
★調整が適切なら、どの強さのカールも乾くに従い優しい表情になるのです。
※従来型パーマのやり方では、この全ての現象や効果が偶然の産物となります。
※これらを実現させるのが美容師の仕事で、それが調整技術の証となります。
※基本調整が出来ないと、このような効果と機能性は得られません。
※ここで紹介するパーマデータの9割が、カラーのあるパーマの結果です。
※得ようとする目的の形によって、楽さ、持ち、傷みが犠牲になる場合があります。
従来型パーマではこの様な経験ができないため、この説明や現象を理解する美容師さんは殆どないのですが、お客様は髪を洗った瞬間に違いを理解するのです。
さて、新たなパーマの基本調整を傷んだショートヘアで行うと、この嬉しいパーマの内容を、最短3度目前後のパーマで改善実感(パーマを続けながら治せる)して頂けるようになります。ただし、基本調整と髪条件で機能性は変わるため、改善内容が微弱だったり、出来ない場合(技術に万能はない)もある事をご了承ください。
つまり、美容師さんの技量(髪条件に合う道具扱い)でパーマの優劣や機能性は変わるため、パーマの結果は道具の良し悪しではなく「何をどうしたのか…」(判断)と言う、美容師の調整問題となるのです。(これを道具のせいにするため不信感を招く)
これに日々の調子が加わるため、手応えのない技術はレベル低下を招くのです。
※正確なデータの残らない現行カルテは、住所録とメモの機能しか持ちません。
※住所録とメモの機能しか持たないカルテから、改善案を導くことは出来ません。
※そのため現行カルテは、DM用などの宣伝と連絡用の機能しかありません。
※傷んだ髪の改善法は、臨床実験のデータと結果のすり合わせで明らかになりました。
※手応えのある技術とは、機能性を意識的に調整したり再現できることを指します。
※意識的に調整できれば、各問題点の改善や、かかり具合の安定再現も可能になります。
4 強さの段階的調整。 (直毛とパーマをつなぐ技、ロット編ハンドブロー)
強いパーマと直毛をつなぐには、その間に中間の強さのカールを入れれば自然につながります。昔はこの調整が全体を巻くパーマより時間がかかり、面倒なやり方はすたれてしまいました。しかし、基本調整を応用するだけで、強いパーマと弱いパーマを同時調整できるため、このような部分パーマは通常より早く終われる簡単施術に変わりました。(施術時間は技量でも変わります)
5 ボブスタイルを手グシで形にする。 (ロット編ハンドブロー)
●ここからはオーソドックスな形で、楽さの紹介を行います。
このヘアスタイルは、根元まで巻き込むのか、中間までか、毛先だけなのかと言う(個人差、髪条件、目的の違い)選択があるのですが、このケースでは毛先を巻く施術を採用しました。このようにボブも色々な巻き方があるため、その目標によりカット+基本調整+巻き方を変えないと、手グシだけで目的の形や雰囲気を出すことは難しくなるため、美容師の計算力や判断力がより重要となります。
6 パーマをダイレクトに縦ロールにする。(ロット編ハンドブロー、乾かしてねじる)
ねじるだけで縦ロールが出来るといいのになーと、昔から思っていたのですが、かかり具合の観察を続けるうちに出来ると判断し、実行したスタイリングです。
注意、ロットを縦に巻くことは、セットとの理論混同です。
なお、偶然を技術のように装う無責任さを防ぐため、同実験を計4回行い、縦ロールになることを全てで確認し、他者でも確認したため紹介いたしました。
※基本調整のない従来型パーマで、これを真似ても縦ロールは出来ません。(撮影120711)
7 ピンパームを手グシで形にする。 (2つの形が楽しめるパーマ)
この作品は、基本調整と正確な巻き方の二つの条件が必要で、2つの調整が的確にコラボして得られる作品です。そのため二つの条件がそろわないと再現性は低下し、ウェーブの成形は不安定になるのです。なぜなら、基本調整も巻き方も美容師の腕が頼りで、道具を適切に扱った結果が髪型や楽さにつながるからです。
そのため美容師の理論的な考え方と、経験的な計算に基づいた道具の使いこなしが重要で、それゆえに美容師の技術力が必須条件となるのです。
巻き方の効果に動きを出す強さが加わり、躍動感とウェーブヘアで遊びながら、さらに形が簡単にチェンジでき、TPOで使い分けることも出来る超便利なスタイルで、時間と共に柔らかでナチュラルなカールの表情に変わって行くのです。
なお、パーマをダイレクトに手グシやブラッシング出来る理由は、傷みが小さいから(極少化)で、これを毎回許容以下に管理することがカルテの役目です。
●定番のヘアスタイルから見える基本調整の効果。
(強いパーマと直毛をつなぐ、ボブ、縦ロール、ツーウェイ)
★手グシで形作りが出来るパーマなら、形作りの道具を持たずに身軽に旅に行けるのです。
★パーマで形の土台が出来ているからこそ、気ままに別のアレンジで遊べるのです。
★どの形も、水気が飛ぶに連れて、形のイメージがハッキリと現われて来るのです。
★ロットによるウェーブの計算は超難しいのですが、ピンパームなら容易です。
★傷みが少ないため、段階的調整もオーソドックスな髪型も手グシで得られるのです。
※なお、ピンパームを正しく巻ける美容師さんは、殆どない状態と思われます。
新たなパーマの基本調整の中身。
調整の中身は、動きの見えるテストカール、目的に沿った根元の動かし方、傷みの極少化を一つの技で実現することです。その効果で楽な形作りは可能になり、持ちの良さも確保する、理論的な裏付けを持つ純粋な調整技術です。
ですから化学反応と物理的な力を美容師が調整できれば、かかる能力の強い道具なら何でもよく、その的確な調整で楽さは得られるのです。この積み重ねで美容師の自信は生まれ、盗まれる事のない技となり、お客様に嬉しいパーマの提供が実現するのです。この基本調整はパーマの結果と、データのすり合わせを約15年(データ収集の実験&確認の臨床実験)ほど続けて完成させた技術で、その分析結果から、従来型パーマの進歩は、何十年も前に止まったことが分かりました。
従来型パーマの中身。
そのため従来型パーマの説明は、筋の通らない感覚的な内容が多く、上手く出来なかった結果を「薬品や、細いロットや、髪のせい」にして、その場しのぎの理由を付けて誤魔化(多くの美容師さんにこの意識がない)して来たのです。
しかも真似と技術がごちゃ混ぜになり、その場しのぎとか、誤魔化していると言う自覚もないため、今も新たな薬液で切り抜けようとする傾向が続きます。
その結果、髪条件(髪質&状態)の観察とか、技術的に調整(道具扱いと段取り)すると言う配慮を失い、いつの間にか技術レベルの低下を招いたのです。
こうなった理由は ❝盗む技❞(技術)がないからで、無い物は盗めず必然的に進歩は止まり、自己流や他力本願に夢を託すと言う悪循環を生みました。こんな状態を何十年も繰り返せば、お客様のパーマへの評価は当然下がり、この調整の出来ない状態が、昔はチリチリ、今は直ぐに取れると言う内容になったのです。
前述するように、パーマの優劣は道具の良し悪しではなく、美容師の技術(判断)で、パーマ後の楽さ、持ち、傷み方(機能性)は変わると言うことです。
よって美容師が技術を売らずに、薬品の良し悪しを言うことは本末転倒な話で、これが「調整に自信のない」証明となります。同様にトリートメントをする事は、髪を傷めた後の対処法(手遅れ)であるため、技術で「傷みが調整できる事」を、自らが知らないと吐露(あきらめ&居直り)する行為となります。
更にモタ付き感や、ロットを外すまでの時間がやたらと長いパーマも、調整がスムーズでないことを現すため、パーマの優劣を嗅ぎ分ける判断材料となります。
なお、持ちは、髪条件(太さ・量・柔らかさ・傷み具合)と、基本調整の最初の強さとの組み合わせで変わるため、追跡レポートの内容を参考にしてください。
※追跡レポートは、各施術プロセスのチェックカットの後にあります。
また、傷みの許容範囲は、極普通のコンディショナー(保湿剤)で済む状態が維持されていることが調整の証で、これが傷みを調整している手応えとなります。
加えて傷みは直ぐに治らないので、「直ぐに治る」と言う言葉は嘘となります。
※直ぐに治ると言う美容師は、真似を自覚していない美容師を現します。
では、ここまでに紹介した7つの形作りに共通する、パーマの各プロセス
(テストカール、ワインド、調整の手応え、チェックカット)を簡単に紹介いたします。
8 ロットの巻き方。ワインド (ロット編、施術プロセス)
目的があって巻き方を決めるわけですが、それには何度(同じ条件はないため)かの試行錯誤が必要です。そして前回の巻き方の結果を基に、毎回施術を組み立て直し、その結果を観察しながら最適な巻き方に改善していく事が必要となります。
ですから、同じ巻き方に固執するのではなく、シャンプー後の形と楽さを観察して、パーマの内容が適切なのかを判断することが必要となります。
また、どれだけ熟練しても同じ事は出来ない為、動きの見えないテストでは、かかり具合は安定せず、考えて巻いたワインドの効果も確認できなくなるのです。
※ヘアスタイルに関わる条件は個人差ばかりのため、マニアル化は出来ません。
※マニアル化を望む美容師さんは、パーマ技術が真似で得られると考えるようです
9 テストカール。強さの確認 (ロット編、施術プロセス)
「極端にかかり具合の違いを感じる」方はこのテストとは逆で、カールの動きが見えないパーマです。この見えない状態が普通になると、かかり具合は不安定になり毎回強さが変わるため、お客様に不安感が生まれるのです。この不安定な状態を料理に例えると、「味見をしないまま出す料理」と同じ意味になります。
※動きの見えないテストを山勘と言い、どんなかかり具合が得られても偶然となります。
つまり、カールの動きだけが強さを判断する唯一の条件で、だからこそ動きの見えるテストカールは重要なのです。しかし、この変化に敏感に気付くのはお客様の方で、美容師さんの多くが他事に気を取られて気付かない様子です。そして多くの美容師さんが自分のパーマを観察しないため、その理由を知らないのです。
10 細いロットによる特大カールの作り方。調整の手応え(ロット編、施術プロセス)
細いロットはパーマをかかり易くするため、基本調整(施術ルール)が出来ていれば、短時間で大きなカールサイズを作り出すことが可能になります。
その実例がこの動画で、これを調整の手応えと言い、これが出来るようになるともう少し強くする調整を、速やかに実現するパーマシステム(ロットの能力を活用)となります。しかし、基本調整の理論(考え方)を知らずに実行すると、従来型パーマの不安定さが強く現れ、チリチリ感を誘発し、傷みも調整できなくなるのです。(真似では技術は盗めないため、このようなカール作りは出来ません)
困ったことに、現美容師さんの多くが細いロットを巻けないようなのですが、これは教える側の自信のなさを現し、同時にパーマのレベル低下に拍車をかけているようです。そのため「新たなパーマ技術」と名付けることになりました。
なお、パーマの性質上、毎日少しずつ取れていくため、最初の強さで持ちは決まり、強いほど持ちは良と言うことがパーマの持続性の基本となります。そして強さを安定再現(調整の重要性)できないと、持ちの良さを約束することは出来なくなりますし、傷みが過大な場合(指通りが悪い状態の髪)も持ちは悪くなるのです。
●各施術プロセスの動きからわかる事。
★髪条件、頭形、頭寸など、皆違うので最良のワインドは複数存在するのです。
★動画で紹介するテストカールの動きは、基本調整が適切なときにのみ現れる現象です。
★細いロットによる特大カールの調整は、基本調整が適切なときにのみ実現いたします。
★保護クリームを塗る炎症対策は、配慮ではなくその施術の安全性の低さを現します。
★早く終われるパーマは、髪が薬品に浸かる時間が短く、傷みの軽減につながります。
★パーマにも丁度いい範囲(許容)があり、長く置けばいいと言う物ではありません。
11 チェックカットの大切さ。微調整&修正作業 (ピンパーム編、施術プロセス)
この作業は髪型の質を高める「形の補正」と「動きの観察」と言う、2つの目的を持ち、毎回同じことは出来ないため、ここが髪型の最終確認の場となります。
なお、丁寧に髪を巻いても、毛先を折り曲げる可能性は否定できないため、パーマ後の楽さと形に責任を持とうとする美容師さんは、この配慮を怠りません。
パーマのかけっぱなしで、何処まで髪型はできるのか…
12 目標のイメージが「パーマで再現できたのか…」を確認しながら、
日々弱くなるパーマと、形の変化と、持ちと、傷みの検証を行います。
●下の3枚の写真は、このパーマで再現したい目標とする髪型のイメージです。
ただし、この髪型はプロがコテや整髪剤で作ったセットスタイルであるため、洗うと壊れてしまいます。これをパーマで実現すれば、洗ってもこのイメージが楽に再現する髪型の土台となり、誰もが嬉しい便利なパーマとなるからです。
では、新たなパーマの基本調整でそれがどの程度実現したのか、楽さ、持ち、傷みなどを確認しながら、この調整技術の性能を検証してまいります。
さらにこのイメージを1ヶ月後に得たいと言う希望もあるため、先ずは、そのイメージが得られたかを、1ヶ月以降(35、41、73日目)の手グシの形と比較することに致します。(2016年11月21日に行われた、パーマの追跡調査より)
●下の写真は、35日目(約1ヶ月後)、41日目(約1ヶ半月後)、73日目(約2ヶ月半後)の形で、全てシャンプー後の水気を飛ばした状態です。私は、目標のイメージを乾かすだけで再現していると感じるのですが、いかがでしょうか…
形やパーマの弱くなることを予測するには、基本調整に加えて、毛髪診断(分析)とそれを実現する美容師の経験値(技量)が必要です。その具体的な成果が、動きの見えるテスト、かかり具合の安定化、根元の動き、傷みの極少化です。
これにパーマを活かすカットが組み合わされ、楽な形作りは実現するのですが、基本調整(強さ、根元、傷み)は、髪条件と施術内容で変わるため、美容師の熟練した道具扱い(判断の具体化)が頼みの綱となるのです。
つまり、道具の変更で良い結果が得られるのなら、パーマを希望されるお客様は増えているはずで、その引き換えに美容師の技は低下すると言う事になります。
ところが従来型パーマの評価は今も下がる一方ですから、お客様から見た良い薬品と言う話は、高い料金を取るための言い訳にしか聞こえないのです。
では、35日、41日、73日目の手グシの形を実現させた、パーマ直後のかかり具合を紹介しますが、このような調整を「パーマの予測調整」と言います。
※ちなみに施術者の予測調整の評価は75点で、「合格点が取れたかな…」と言う反応でした。
●パーマ直後のかかり具合と手グシの形(2016. 11.21)。
これがパーマ直後のかかり具合で弱くなる事を予測し、1ヶ月後に目標のイメージにする為に調整した強さです。かかり具合はご覧の通りで、イメージとは少し違うのですが、これはこれで良い雰囲気だと思います。パーマ直後に目標のイメージにする場合は、もっと弱く調整するのですが、持ちは悪くなります。
また、髪条件(太く多い=持ち良)(細く少ない=持ち悪)(傷みの有無)でも持ちは変わるため、これも予測調整の対象となります。このように異なる複数の条件を調整する必要があるため、単なる道具の変更では対応できず、美容師の熟練した経験値が必要(美容師の存在理由)となるのです。ですから何時まで経っても改善しないパーマは、道具ではなく美容師の判断とやり方に問題があると言うことになり、やり方の何処かに間違いがあると言うことになります。
※ただし、調整しても効果の認められない髪のあることも、知っておいてください。
●翌日のカラー直後のかかり具合と手グシの形。(2016.11.22)
パーマ後に染めを行うとパーマは弱くなるため、それも予測して強くするのですが、許容以上に傷んだ髪は薬品に敏感で、判断するタイミングが早く狭くなるため調整を難しくするのです。こんな時こそ理論的な対応が必要で、これが出来ないパーマはさらに傷みを増やし易く、やがて調整自体が出来なくなるのです。
※パーマ直後に染めをするつもりでいたのですが、時間の関係で翌日となりました。
●パーマ直後、カラー直後、10日目と16日目のかかり具合の比較と手グシの形。
染めた直後のパーマに急に弱くなった感じが見られますが、これは乾かし方の問題です。ですからパーマ直後、10日、16日と比べれば、パーマのかかり具合が急に弱くなったのではないことが、写真の比較で確かめることが出来ました。
●そしてかかり具合は、23日、26日、35日(約1ヶ月)、41日(約1ヶ月半)、73日目(約2ヶ月半のウェット&ドライ)と、124日目(約4ヶ月)のカット直後に続きます。
このモデルさんには小さなお子さんがあり、2ヶ月目にカットをすることが出来ず、4ヶ月後となってしまいました。しかし、それでもパーマは残っているため、カットでパーマを形に再利用できたことから、持ちの良さは証明されました。
パーマ直後から順に写真(下)を並べると、弱くなる様子を客観的に確認する事が出来るのですが、傷み等を改善できない従来型パーマはこの変化が順調に起きないのです。そのため髪条件(質や状態)で変動する取れ方や傷みの資料が得られず、(そのため文献もない)持ちの予測や傷みの改善が出来なくなってしまったのです。
●そして、124日目のカット前後の雰囲気と、パーマの残り方です。
パーマから4ヶ月がたった、カット後の何も付けない手グシの形です。これにパーマを強調する整髪剤を用いれば、再度動きのある雰囲気が得られるのです。これがパーマのお得感を生み出し、持ちはパーマの高性能化の条件となり、新たなパーマ技術の基本能力(機能性)の一つとなります。これに対して従来型パーマの持ちは悪く、傷みの改善は出来ず、この様なお得感を安定して提供することも出来ず、お客様が納得するパーマの内容には程遠い物だったのです。
※シャンプー後の保湿剤(コンディショナー&リンス)をしただけの手グシの形を紹介しています。
※この追跡調査のデータは半年分あるのですが、そのうちの4ヶ月分を紹介しました。
◇横から見た方が、パーマの弱くなる様子がよく分かるのですが、
同様に髪も長くなっているため、急に髪が長くなったように見えますね!
●この追跡レポートで確認できた事。
(紹介する全ての形が手グシの状態で、整髪剤等は一切使っていません)
★パーマで、1ヶ月後に目標の形は再現できたのか… (予測内容の確認)
※パーマだけで、イメージする形を1ヶ月後に再現することが出来ました。
※取れる予測が適切であったため、1ヶ月後にイメージの形が再現できました。
★パーマの弱くなる様子と、形の変化は見えたでしょうか… (観察)
※日々少しずつパーマは取れて、弱くなって行くのが写真で確認できました。
※パーマが弱くなるに連れて、形(長さ&ボリューム)の変わるのが見えました。
※ウェットで強く、ドライで弱く見えるのがパーマの特徴であることがわかりました。
※ウェットで丁度いいかかり具合は、ドライで少し弱く見えることがわかりました。
※カラーをするとパーマは少し取れ弱くなり、逆の場合は色が明るくなるのです。
※見た目に弱いパーマほど早く取れ、強いほど持ちの良いのが調整されたパーマです。
★カットをしても、パーマが再利用できたら嬉しいですね!。(パーマの再利用)
※パーマの再利用には、強さの決め方と傷めないことが条件となります。
※パーマの持ちは、カットの内容(段&ソギの有無・長短)でも変わります。
※持ちは、最初の強さと髪条件で変動し、特殊な髪の予測は出来ません。
★カールの表情や艶から、調整の優劣が見える。(個人差にマニアルは使えない)
※トリートメントの使用が続くことは、傷みの治っていない証拠です。
※優れた美容師は、技術で楽さ、髪の艶、指通りの良さなどを提供し続けます。
※髪条件は全て違うため、その適切な施術判断がパーマ後の楽さを生み出します。
なお、これら全ての現象は見えない所(見て盗めない)で起きるため、これらの調整を勘ですることは出来ません。データ化するには現象とデータのすり合わせが必要で、この読み間違え、不正確なデータ、雑な施術を行うと改善は望めません。
当然のこと、やり方の真似では全ての結果が偶然となるため、パーマ後の楽さや安全性を確保することも出来ないのです。だからこそ見えない所のデータは重要で、それが管理できないと何時まで経っても改善は望めませんし、改善した状態を維持することも出来ないのです。こうなるとトリートメントなどの余分なコストがかかり、少し強くとか言う微調整も出来なくなり、毎回違うかかり具合になるため、「かけなきゃよかった」と言う悪評がお客様に芽生えるのです。
パーマをダメにする説明を平気でする美容師。
●パーマとカラーをしたら傷むのは仕方がないと言う美容師。(調整できない居直)
●パーマとカラーの日をずらせばいいと言う美容師。 (矛盾を感じる苦しい釈明)
●良い薬品をすすめる美容師。 (調整できない不安を他力本願に逃げる行為)
●トリートメントなどをすすめる美容師。 (改善できない傷みを商売にする商魂)
●安易に無責任な返事をする美容師。 (出来ないと言えない苦しい立場)
●筋の通った説明の出来ない美容師。 (高い薬品はいいとか、成分の良さを言う状態)
●額へのクリーム、濡れたタオルの交換を配慮と思う美容師。 (余分な作業)
髪結いから始まった美容師さんは、薬品による化学反応や物理的な力を感覚的に捉えるため、やり方を真似れば「そのうち技が身に付く」と思う傾向が強いのです。確かにロットを巻くなどの作業は反復することで上手くなるのですが、目に見えない部分(化学反応、物理的力、髪条件)の調整法は身に付きません。
これを見えるようにするには、データとその結果のすり合わせが必要で、正確なデータの残らない感覚的なカルテでは改善案は導けないのです
そのため筋の通らない自己流に思い付きの名を付けて売ったり、良い薬品なら上手くかかるはずと言う、安易で無責任なパーマの下地となったのです。元々髪型と言う感覚的な物を扱う美容師さんは、理論を軽視し易く、未だにパーマの何処に問題があるのか美容師さんが分かっていないのです。
そのため、実験で確認しようとする美容師に出会うことはありませんでした。
つまり、髪結いさん的な感性だけが育ち、科学的にパーマをとらえると言う思考が育たず、理論的な説明が出来ないのです。そのため自分のやり方を疑う事も出来ず、結果の悪さを道具(薬品とロット)や、髪のせいに責任転嫁して来たのです。
実験データからこのような事があぶり出され、一番驚いたのは、この実験者だった様です。その結果「直ぐに取れたり」、「チリ付いたり」、「指が通らない」と言う不安をお客様に与えていたことが浮き彫りとなり、これを改善できないため信頼を失った事実も浮き彫りになりました。ですから従来型パーマは未だに強さの安定調整、傷みの改善、楽な形作りが提供できないと言うことが実験から明らかになったのです。これを全て良い状態に戻す技術が、新たなパーマの基本調整であり、動画はその結果であり、パーマの普遍的な技術を紹介する物です。
※セットとパーマの理論混同も、調整できない美容師の苦し紛れから生まれた発想です。
薬品について。
本当に良い薬品があるのなら、ここで挙げた問題は全て解決し、そうであれば嬉しいパーマは実現していることになり、お客様からパーマをかけたいと言う要望が強まるはずです。だとするとパーマ人口は増加するはずなのですが、そうならないことから良い薬品はないと言うことが証明されました。
●質問などがありましたら、問い合わせをご利用ください。