♪ 基本調整(強さ、根元、傷み)の確かさで得られる、3つの相乗効果。
3つの調整が確実に機能しないと、この効果を安定して得ることはできません。
また基本調整が機能していても、効果の出ない髪もあるのでご注意ください。
♪ 100日間の追跡調査で、パーマはどんなふうに弱くなるのか…
(ウェット状態) (ドライ状態)
パーマ直後。すすぎ後のかかり具合と、ハンドブローの感じ。(強さ)
パーマをかけたのは10.01.05です。
15日目。すすぎ後のかかり具合と、ハンドブローの感じ。
パーマが少し弱くなり、その分髪が長くなった感じです。
髪は3日で1ミリ程度伸びるのですが、それ以上に伸びた感じがありますね!
基本調整の適切なパーマは、2週間くらいでこの程度の弱さになるようです。
※15日目のこの髪は5ミリ前後伸びました。
34日目。すすぎ後のかかり具合と、ハンドブローの感じ。
さらにパーマが弱くなり、髪も伸びて、さらに長くなった感じです。
75日目。すすぎ後のかかり具合と、ハンドブローの感じ。
さらに髪は長くなりましたが、思うほどパーマは弱くなっていませんね!
98日目。すすぎ後のかかり具合と、ハンドブローの感じ。
なお、この持続性は複数のプロセス(髪条件、毛髪診断、美容師の腕、最初の強さ等)が絡んで生じる現象のため、具体的な日数での表現は致しかねます。
※3ヶ月を過ぎて、俄然長くなりましたが、全て整髪剤を付けない水気を飛ばした状態です。
パーマ直後、15日目、34日目、75日目、98日目の、5枚の写真から徐々にカール感が弱く(ウェット&ドライ)なって行く様子がわかります。その取れ方のイメージを、図で補足しておきますが、これと同時に見えるものが、ウェット時とドライ時の強さの変化で、ドライ時の方がウェット時よりカールが弱く見えますね!
これが豆知識で説明するパーマネントウェーブの性質になるため、ドライでジャストの強さにするには、ウェットでやや強くしておく必要があるわけです。
このモデルさんの髪条件は、中位の太さ硬さでやや多い、少し乾燥性の髪です。一般的にこの髪の持続性は良い方ですが、最初の強さや髪の状態など複数のプロセスで変わるのです。更にお客様の好みやライフスタイル(感じ方や整髪剤の有無)の違いでも評価は変わるため、この髪条件に似た方に当てはまる事例となり、全ての人に適用するものではありません。(カットはレイヤードでソギはありません)
また、湿度の違い(季節)でもカール感が強弱するため、あくまでも目安(一例)
として記憶に留めておいてください。持続性の表現は条件が多く難しいのです。
※この性質は、コンディショナー程度の保湿力でカバーできる傷みに共通する現象です。
下の写真は、パーマ当日のロットアウトとワインドの様子です。基本調整がバランスよくできると、細いロットでフワフワした持ちのいいパーマが作れます。
ロットアウトの濡れた状態から、乾いたハンドブローのかかり具合を予測することが出来ましたでしょうか… 実はこの予測が結構難しい熟練の技なのです。
写真からわかるように、クルクルのパーマであるにもかかわらず、チリチリになっていません。これがパーマネントの性質を利用した、強さ調整の実例です。
●強さの選択を、実際の利用法に置き換えてみます。
仮に、98日目のハンドブローのかかり具合を目的にした場合、隣のすすぎ後程度の強さが必要です。このように持続性を追跡した写真は、最初にどのくらいの強さにしたらいいかという目安(物差し)として利用することが可能です。
そして毎日少しずつ弱くなっていくため、最初のカールの強さは持続性を決める上でも大切な要素であることがわかります。(この説明の出来る美容師が殆どいない)
※持続性を決める要因には、強さ以外にカットの内容も含まれます。
もう1ヶ月程度長持ちさせたい場合は、75日目のすすぎ後くらいの強さのパーマが目安となります。そうすると、1ヶ月弱で98日目程度の強さになります。
ですからお客様は、「一ヶ月くらい先に目的のかかり具合になるようにして」と頼めばいいわけで、あとの調整は美容師さんの仕事となります。
100日間の追跡調査によって、どんなふうにパーマが取れて、どの程度残るのかがよくわかりました。これを逆に利用したのが最初に求める強さの目安です。しかし、これを実現するには強さの確実な調整法(微調整法)が必要で、それが可能か否かは、強さ調整で説明するカールの動きと、その判断が重要となります。
さて、この持続性の説明は、写真の髪条件に近い人にあてはまるものです。
ですから、写真の髪条件より細い髪や太い髪、少ない髪や多い髪、傷みの有無とその程度、カット内容の違いで求める強さを変える必要が生じます。
そのため現場での実際の調整は美容師(毛髪診断=経験値)の臨機応変な読みと、個人差への対応、及び目的の形を得るためのきめ細かい配慮が重要となります。
目標の形(デザイン性)、イメージチェンジ(変身)、持ち(経済性)、楽さ(実用性)、傷まない(安全性)など、パーマへの要望や目的は人それぞれに違うわけですが、だからこそこの実現に強さの微調整法が必要となります。
ただし、技術には限界があるため、万能でないこともご承知おきください。
なお、この微調整法は美容師の調整力(腕前や配慮)が試される試金石です。
基本調整(強さ、根元、傷み)の結果が、パーマ後のハンドブローの形だとすると、直ぐに取れるパーマは、形作りの土台を失ったパーマということになります。
つまり、パーマが残っていなければ、ロットアウトに見られる根元の動きや、毛先の動きなどを形に取り入れることが出来ず、手グシによる形作りは不可能になるからです。よって基本調整の効果で、手グシによる楽なスタイリングが得られるとすると、パーマの残り方は、この効果の有無を判断するサインとなります。
だとすると、2週間前後で取れるパーマで得られる効果は、瞬間的な変身(夢)と言うことになり、このようなパーマを付加価値の低いパーマといいます。
※美容師さんから持ちの良し悪しの申告があり、了解している場合は話が別となります。
お客様のパーマへのニーズは多様で幅広い違いがあり、持続性もそのニーズの中の一つです。そんな多様性を調べるのに、追跡調査は有効な手段となります。
※持続性を追跡したデータが美容界にはなく、持続性の文献はないのです。
※その結果、強い方が弱いより持ちがいい程度の話で終わるのが普通です。
パーマの持ち(持続性)は、髪条件と基本調整の中身で決まるため、これらを理論的に知りたい方は、有料会員の登録をすすめます。
●会員の申し込みは、施術情報内にあります。