基本調整が出来るようになると、ハンドブローのみで一見ブロー後のスタイリング(作品)と見間違うようなボブスタイルが可能になります。何故なら、パーマ部と直毛部のつなぎに工夫をしているため、その効果で自然につながるからです。つまり、ハンドブローの出来から基本調整の良し悪しが確認でき、これも調整の手応えとなり、その表情から調整の内容が推測できると言うことです。

 

 

写真はドライヤーで水気を飛ばした直後で、両サイドより中央がほんの少し湿っているためカール感が強く、それがクルッとした動きの表情になって現れています。この表情の違いが、豆知識にあるパーマとセットのカールの性質の違いを現し、豆知識にある説明の証明(乾くに連れてパーマは弱く見える)となります。

なお、傷みが許容範囲を超える場合は、この説明はあてはまりません。注意

 

 

カットラインと、カット時の長さ。

 

ごくオーソドックスなカットで、ソギを入れないやや長さのあるボブですが、もっと軽く見せたい場合やボリュームを抑えたい場合(目的とするデザインの違い)は、段やソギを用いてさらなる調整を行います。

因みに段を入れると下方のボリューム感を小さく抑えられ、写真のオーソドックスなイメージとは違うボブスタイルに変更することが可能です。

(ゴム痕は付かないため小道具は不要です) 

 

 

ワインド。

 

使用したロットサイズは前髪が8ミリで、あとは全て7ミリを使用しています。

これも豆知識で説明する、細いロットによる大きなカールの求め方の一例です。使用したロットサイズとカールサイズの違いは、次の写真で確認してください。

 

 

前髪のカールサイズを比較する。

巻いたロットサイズと求めたカールサイズの違い 

 内巻き部分のカールサイズを比較する。

この前髪とエリ足の強さの違いを計画的調整と言い、速やかに一挙にパーマを終わらせるため、前髪とエリ足の強さの違いを同時進行で行います。

なお、この計画的調整は基本調整の応用で可能になるため、基本調整のルールが分からないと、この調整を同時に行うことは出来ません。そしてこのかかり具合が、冒頭で紹介したハンドブローを実現する、髪にマッチした強さとなります。

 

全体のかかり具合。

パーマのかかり具合(強さ)はご覧の通りで、乾くと弱く見えるカールの特徴を考慮した強さで調整を行いました。さらに持ちを配慮して、カットの出来る程度に強さの調整を行っています。

 

 

もう一つの技。(付加価値)

 

実はこのボブスタイル、写真のように外巻きにも出来るのです。ですからこのまま放置すれば外巻きとしてお遊び感覚で楽しむことも可能です。もちろんこの動きを提供する場合は、施術前にこの説明をしてから実施することが大切です。

 

 

なお、この強さの調整は髪質や状態(髪条件)で変える必要があるため、写真の強さを単純に真似れば、楽さや外巻きが得られると言うものではありません。

なぜなら、毛髪診断に基づいた美容師の判断や経験値(かかり具合=回転数の設定=強さの微調整法=基本調整)の深さも必要で、だからこそパーマを技術と称します。

 

ボブスタイルでありながら、内巻きと外巻きの2つを楽しむことが可能なかけ方、いかがでしょうか。基本調整が確実ならこんな調整も可能になるため、さらにパーマをかけることが楽しみになりますね!(整髪剤は不要です) 

 

そして持続性の所で説明するように、パーマのカールは時間と共に弱くなるため、徐々に外巻きになる力を失い内巻きに戻ります。ですからパーマ直後の1週間程度は外巻きで遊んで見てはいかがでしょう。

パーマのカールの性質が分かると、こんなツーウェーな遊び心を忘れない、お得感のあるパーマを楽しむことも可能です。

 

 

モデルさんが若いので、雰囲気にシャープさを加味してカットを行いました。

  ※染めのある髪。 

ハンドブローなのにブロー後の仕上げと間違える理由は、冒頭で述べた通り基本調整の効果が出ているからですが、これが出来ると水気を飛ばすだけでブローと遜色のない出来になるため、あえてハンドブローの状態を紹介しています。

基本調整を知らない方には信じられない現象ですが、この効果をパーマの機能性と言い、こんな機能の備わるパーマなら多くのお客様に喜んでいだだけます。

同時にこのレポートの内容から、豆知識で紹介する、パーマのカールの性質や、調整の効果や、その動きが現象としてリアルに伝わったのではないでしょうか…

 

紹介する施術情報の全てに、基本調整の効果や現象が現れているため、基本と断りを入れました。なお、楽さは動画で確認してください。

 

 

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日本ピンパーム協会

中部事務局

 

代表 遠山千秋

 

 

 協会代表の挨拶。

 

新たなパーマ技術の発見と、

その性能。

 

私は日本ピンパーム協会中部事務局で代表を務める、遠山千秋と申します。協会発足当時から多くの美容師さんと関わる立場にあり、パーマの夢を語り合ったり、自らがモデルになりパーマを体験して来ました。そのパーマの理想が、シャンプー後のスタイリングの楽さ(楽さ、長持ち)と、格好の良さ(デザイン性)でした。

このようなパーマの内容が提供されれば誰もが嬉しく、これなら後世に残るパーマ技術になると確信します。しかし実際はと言うと、この内容のパーマがなかなか提供されず、おしゃれコストだけが突出してしまい、パーマ人口は大幅に低下してしまいました。

 

協会も発足当時からこの夢の実現のため、多くの美容師さんに情報の伝達を続けながら縁をつないで来ました。しかし技術レベルのアップははかどらず、私の心配は的中して2013年の段階で昭和40年代のパーマ人口にまで激減してしまいました。(日本パーマネント液工業組合の表で確認を行う)

 

そんな中、縁を持った一人の美容師さんが「こんなことが出来るようになった」と、あるパーマを見せてくれたのです。それがここで紹介するパーマ技術の原型です。この技術は私の知るパーマの常識をことごとく覆す内容を持っていて、その内容と結果に私はしばし言葉を失いました。その具体的な施術が、強さ、根元、傷みの3つに分類した基本調整です。

 

※実は、従来のパーマにこの調整を詳細に説明した文献はありません。個人技で理想に近い結果を提供する美容師さんは少数あるのですが、説明が…

 

技術開発には約15年を要したそうで、そのかいがあり従来のパーマ技術に‟解かれていない理論“を見つけることができたとのことです。また実際に傷みの少なさを目の当たりにした私は、基本技術の大切さを改めて見直します。さらにこの発見で従来パーマの不安定さも解決することが分かり、この新たな基本技術に私自身も大変ビックリしております。

  

しかし、この技術を開発した美容師さんは留まる事なく、2006年頃から施術内容の視覚化に取り組んでいたのです。それが各調整で紹介する、動きの見えるテスト、根元の動き、艶による傷みの確認と、持続性の追跡調査等です。 

 

さて、巷には色々なパーマの応用技術があるのですが、結果として「毎回違うかかり具合」「直ぐに取れる」「チリチリになる」「バサバサになる」「楽にならない」などを感じたら、それが基本に問題のあるメッセージとなります。極端な違いや不安定さを感じる場合は、各調整のどれか、あるいは全てに問題が出ている可能性が高くなります。この状態の時、紹介した調整の動きは見えません。

 

そんなことも、このパーマ技術の開発で分かるようになりました。

なお、この現象はピンパームにもロットにも共通する、パーマの普遍的な基本技術です。

 

日本ピンパーム協会の有料会員に登録して頂くと、さらに詳細な情報が分かります。 

 

 

 

 

この技術データはサイクル化(下図)して、絞り込まれて更なる質の向上に貢献するデータを提案します。

 

また、このパーマ技術は、高い安全性と環境に優しい能力を備えながら、さらに省資源やエコ化にも貢献します。