筆 新たなパーマ技術の開発者。
No.4 こんにちは。前回はチャレンジに至る心の動きを書きましたが、実はこの実験で答えが出るとは思っていませんでした。取りあえず私の知りたいことを教えてくれる先生に出会うまでのつもりで、片手間に始めた実験だったからです。ところが、3年が過ぎても5年が過ぎても、一向に具体的な調整法を教える勉強会は現れません。
巷に紹介されるものは一過性の道具の宣伝や流行りの形作りで、私の知りたい基本を教える物はありませんでした。そんな状態に落胆しながらも、実験から少しずつデータが集まり始めます。その内容を眺めているうちに、突然、従来のパーマでは調整が出来ないのではとひらめいたのです。まさかとは思いましたが、思い浮かべて見るとテストカールの詳細を克明に説明する講習会はないのです。
そうか! だから従来の講習では実際の調整に触れずに、出来るものとして扱い、先に話を進めてしまうんだとやっと納得がいきました。
つまり、講習する側も調整法が分からないため詳細には踏み込めず、美容師は出来ないと言えない立場にあり、この空白を埋めるように商品や形に話題を振り、調整の説明には入らず終了となるわけです。これが何十年もの間、パーマの講習会で普通に行われて来たとすればビックリですが、この弊害はレベル低下と言う形で現在のパーマに色濃く現れることになりました。それが不安定な調整や、筋の通らない説明をする美容師を作り出した原因です。しかも、これが危機的な状況であることに気付く美容師が少ないため、問題はさらに深刻です。
このレベル低下は、基本を追究しなかった美容師の責任なのです。
※思い付きの説明や、テストは要らないと言う美容師はこんなことから生まれました。
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