筆 新たなパーマ技術の開発者。
No.16 新たなカルテを作ると決めたものの約2年もの間、そのカルテの作成に行き詰まっていました。こんな身動きの取れない閉塞感に無意識に反発したからか、あるいはヒントとなる文献がなかったからか、とにかく直感的に実験をしようと言う選択に行き付いたのです。つまり、私の欲しいデータを得るためには、もう残された選択肢はないと判断した結果の実験だったのです。
朗報は継続して行っていた施術観察から、カールの表情に小さな違いを感じるようになっていたことです。ただし、それがどんな意味を持つのかは、まだ不明でした。それでもカールの表情に違いが出ることに気付くと言う進歩がありました。そしてこの変化が本物なら、それは新たなデータであると言うことを確信したのです。
こんな具合に複数の問題が重なる状態で開店5年目を迎えることになり、それが底知れぬ不安感と強い焦りに変わり、何とかしなくてはともがく思いが実験に駆り立てたようです。当時は課題を洗い出すと言う冷静な判断はできず、心のおもむくままに若い判断と勢いで実験に突入しました。しかもその実験は2年で強制終了することになり、仕方なくもう一つの実験に移ることになります。
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