実験から分かったこと

筆 新たなパーマ技術の開発者

No.18 適量を探す実験が2年目に入った頃、挫折の危機に襲われましたが、何とかあきらめずに踏ん張り、そして実験が3年目に入った頃に、大雑把な調整のイメージが分かりかけてきたのです。

それは、前もって髪条件の違いを予測(毛髪診断)することの重要性と、この予測に合わせた技術者の工夫(道具の扱い方)の大切さでした。そして分析は進み調整するためのルールがさらに明確になりました。

元々、強さの確認とその調整に納得をしていなかった私は、心の何処かに底知れない不安があったのですが、この作業でその理由が明らかになったのです。

 

日本でのコールドパーマの歴史はこの時点で30年以上あるのですが、この想定外の情報に私はア然となります。このまさかの展開に、「嘘でしょ…」とか、「そんなバカな…」などと自問自答する一方で、「現美容師さんはどのように調整をしているのだろうか?」という疑問が湧き上がります。

当時はインターネットがなく、私のパーマ技術の主な情報源は協会でしたが、この実験で得た情報は協会にない物でした。つまり、美容界にないデータだったため、文献もなければ公にすることも出来なかったと言うことです。

 

そしてこのデータから、従来パーマの成り立ちが「透けて見える」ことになり、パーマ人口の減少した理由が明確になりました。それにしても、歴史を積重ねたパーマ技術にまさか「解かれていない理論」(調整できない理由)があったとは… 私の驚きはここでした。この発見が、ベース幅の実験から7年目(昭和60年前後)のことで、そしてカルテの内容も必然的に変わって行きました。

 

日本ピンパーム協会

中部事務局

 

代表 遠山千秋

 

 

 協会代表の挨拶。

 

新たなパーマ技術の発見と、

その性能。

 

私は日本ピンパーム協会中部事務局で代表を務める、遠山千秋と申します。協会発足当時から多くの美容師さんと関わる立場にあり、パーマの夢を語り合ったり、自らがモデルになりパーマを体験して来ました。そのパーマの理想が、シャンプー後のスタイリングの楽さ(楽さ、長持ち)と、格好の良さ(デザイン性)でした。

このようなパーマの内容が提供されれば誰もが嬉しく、これなら後世に残るパーマ技術になると確信します。しかし実際はと言うと、この内容のパーマがなかなか提供されず、おしゃれコストだけが突出してしまい、パーマ人口は大幅に低下してしまいました。

 

協会も発足当時からこの夢の実現のため、多くの美容師さんに情報の伝達を続けながら縁をつないで来ました。しかし技術レベルのアップははかどらず、私の心配は的中して2013年の段階で昭和40年代のパーマ人口にまで激減してしまいました。(日本パーマネント液工業組合の表で確認を行う)

 

そんな中、縁を持った一人の美容師さんが「こんなことが出来るようになった」と、あるパーマを見せてくれたのです。それがここで紹介するパーマ技術の原型です。この技術は私の知るパーマの常識をことごとく覆す内容を持っていて、その内容と結果に私はしばし言葉を失いました。その具体的な施術が、強さ、根元、傷みの3つに分類した基本調整です。

 

※実は、従来のパーマにこの調整を詳細に説明した文献はありません。個人技で理想に近い結果を提供する美容師さんは少数あるのですが、説明が…

 

技術開発には約15年を要したそうで、そのかいがあり従来のパーマ技術に‟解かれていない理論“を見つけることができたとのことです。また実際に傷みの少なさを目の当たりにした私は、基本技術の大切さを改めて見直します。さらにこの発見で従来パーマの不安定さも解決することが分かり、この新たな基本技術に私自身も大変ビックリしております。

  

しかし、この技術を開発した美容師さんは留まる事なく、2006年頃から施術内容の視覚化に取り組んでいたのです。それが各調整で紹介する、動きの見えるテスト、根元の動き、艶による傷みの確認と、持続性の追跡調査等です。 

 

さて、巷には色々なパーマの応用技術があるのですが、結果として「毎回違うかかり具合」「直ぐに取れる」「チリチリになる」「バサバサになる」「楽にならない」などを感じたら、それが基本に問題のあるメッセージとなります。極端な違いや不安定さを感じる場合は、各調整のどれか、あるいは全てに問題が出ている可能性が高くなります。この状態の時、紹介した調整の動きは見えません。

 

そんなことも、このパーマ技術の開発で分かるようになりました。

なお、この現象はピンパームにもロットにも共通する、パーマの普遍的な基本技術です。

 

日本ピンパーム協会の有料会員に登録して頂くと、さらに詳細な情報が分かります。 

 

 

 

 

この技術データはサイクル化(下図)して、絞り込まれて更なる質の向上に貢献するデータを提案します。

 

また、このパーマ技術は、高い安全性と環境に優しい能力を備えながら、さらに省資源やエコ化にも貢献します。