筆 新たなパーマ技術の開発者。
No.15 さて、実験をしようと考えた最大の理由は、従来パーマには色々なやり方が混在し、統一した基本ルールがないように感じたからです。そのため実験を通して一番合理的な施術法を探せば、そこから基本ルールが組み立つのではと考えたのです。
また、目的の違いで実験内容や方法も変わるため、目的を得るための筋道の組み立ても必要となりました。
そんな最初の実験は、強さを意識的に変更(予測調整の有無)すると言うもので、
内容は、薬量とロットサイズを同じにして、毛量を倍と半分にして巻くと強さにどんな違いが出るかを確認するものでした。結果は早い段階で現れ、強さに違いの出ることが分かったのですが、なぜそうなるのかハッキリした理由はつかめませんでした。そんなモヤモヤした状態のまま、強さに違いの出ることを半年間ほど継続確認し、その後同じ内容の実験を面積を広げて半年間ほど行い確認を続けます。そして再度最初の実験に戻ると、何故か強さの違いが出なくなっていたのです。これはショックな出来事で、理由がつかめいないため再現実験もできず、結局この実験は中止に追い込まれます。※1年半の努力は水の泡となります。
今となってはとても良い経験だったのですが、理由(理論)の重要性を追求しなかったことを思い知る良い経験と挫折を味わいました。