筆 新たなパーマ技術の開発者。
ブログNo.36 カルテを使用していなかった頃の私は、施術内容をその都度組立てていたため、これが適度な緊張感と慎重さとなって、大きな失敗を防ぐ油断をしない施術と結び付いていたようです。
このような状態に至った理由は、ほんの少しの違いでかかり具合が変わるとか、傷みが増えると言う経験をしていたからです。さらに同じ施術をしているつもりでも、それが出来ていないことを結果から薄々感じていたからでもあります。
これらの経験から「油断は敵」と言う意識が芽生え、やがてそれは用心深さに変わり、結果として後から補整の利くかかり具合の実現につながったようです。
一方、カルテを取るようになって感じたことは、個人差への配慮より「カルテの内容に縛られる」と言う不自由さでした。さらに毎回していた施術の組み立ても甘くなり、記録を信じてしまう自分がいました。にもかかわらず判断に迷うと、カルテがあるゆえに頼ってしまい逆に失敗(不信感)することが多くなります。
これに反発した私はカルテを当てにしなくなり、その内にカルテをやめてしまうのですが、実はカルテの良い点も認めていたため、単にやめるのではなくデータ(施術観察の蓄積と新たなカルテの書式)の収集は続けていました。
そして毎回施術を組立てると言う、開店当時のスタイルに戻ると共に、初めて見たときのカルテの印象は「メモだった」に変わります。そのため施術内容を改善する能力のない、住所録でしかないことを再確認することになります。
※カルテのメモ化とは、施術改善のヒントを残さないカルテを指します。
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