2015年
5月
31日
日
筆 新たなパーマ技術の開発者。
No.12 私の描いていたカルテへのイメージは、「何処に間違いがあったのか…」とか、「何を見直せば改善できるのか…」などの、修正を可能にするデータです。ですからカルテとは、記録から問題点や修正案を探し出し、次回改善案の組み立てに役立つ物であると漠然と捉えていたのです。
ところが市販のカルテは、この記述内容で果たして私の意図する情報は手に入るのだろうかと、疑問を感じてしまう物でした。とは言え私流のカルテも作り出せないため、戸惑いながら美容界の流れに合わせてカルテを取るようになります。
しかし、いざカルテを取り始めると、そこに記録した内容で施術をしても弱過ぎたり強過ぎたりといった許容範囲外のかかり具合や、はたまた強い傷みが出てしまう始末です。この経験は徐々にカルテへの不信感に変わり、3年程経ったところにカルテ自体を廃止し、代わりに詳細な施術観察を行うことに切り替えました。同じ様なことに気付き悩んだ美容師さんは他にもいたであろうと思います。
ですが、商品として売られているカルテを疑う事はなく、また、チラッと浮いた疑問も「今更聞けない話」として結局は不問に付した方もあったのではないでしょうか…。とにもかくにも私にとって3年間のカルテに費やした努力や労力が徒労に終わってしまったことは残念なことでした。
※昔、若い一人の美容師さんが、講習後に同カルテの悩みを質問した人があります。
2015年
5月
15日
金
筆 新たなパーマ技術の開発者。
No.11 カルテについて協会代表者の遠山氏に確認したところ、昭和40年代からパーマのカルテを取る美容師さんが現れたそうです。しかし、これは極少数派で、記述内容は薬品名、ロットサイズ、1液タイム、と結果の文章化だったそうです。
ですから、前回施術で何をしたかを忘れないための簡単なメモ的な働きでしかなく、実際は住所録としての機能が主だったそうです。そんなわけで美容師によっては、お客様への商売的アピール&ジェスチャーとしてカルテを取る人もあったそうです。当時はまだカルテを取り始めた初期の段階のため性能も低く、見せ掛けにカルテを利用した人が有ったことも容易に想像できます。
私がカルテを早期に導入しなかった理由は、記述内容に疑問があり、これで何が分かるのだろーと理解できずにいたからです。また、経験値で組み立てる施術に不満を感じていなかったため、施術内容の忘れを防ぐだけのカルテなら不要とも考えていたからです。ところが美容界でもカルテを取るのが普通になり、気の進まないまま、「不安定なかかり具合を安定させるのに役立つかもしれない…」とか、「もしそうならお客様に安心感のある施術提供が可能になる…」等と、自分に言い聞かせて導入(昭和52年)に踏み切ります。当時のパーマカルテの普及率は70%程度だったそうですが、私も遅まきながらカルテを取るようになります。