筆 日本ピンパーム協会中部 遠山千秋。
ブログNO47 (16ヵ月ぶりのブログ)
昔は「チリチリで、後が大変だった」、今は「直ぐに取れて、指が通らない」など、何かと評判の悪いパーマですが、提供する側はこれをどう思っているのか…
昭和44年前後にデザインパーマとかセットレスパーマと言う、「形や楽さ」をイメージさせるパーマが美容界に現れます。使用薬品はチオ系(ロットを巻く)で、かかり過ぎると言う問題が解決されない中での提案でした。そのため、ややロットが太くなり、ロット扱いにセット理論の混じるパーマとなります。
しかし、イメージする効果を提供できず、直ぐに消えてしまいます。
次に昭和50年をはさんで、酸性系とシス系の薬液が世に出ます。目的は「傷みを治す」と言う内容です。前パーマが悪すぎたため当初は良く感じだったようですが、思っていたような効果は出ず、レベル低下に歯止めがかからず、デザインパーマと同じ運命をたどります。
※この後にストレートパーマが出るのですが、事故が多発します。
現在も同じ目的(システアミン・亜硫酸・スピエラ・化粧品扱いの液)のパーマ剤が出回っていますが、これらの薬品はパワーがなく、形作りに必要な動きが得られません。これに極太ロットを巻くため「あっ」と言う間に取れて、傷みだけは増えると言う具合です。これが冒頭の現パーマの評価につながるのですが、多くの美容師さんがパーマの各調整(強さ、根元、傷み)を髪のせいにして放置して来たため、具体的な調整法やそのルールを解くことが出来ませんでした。そのため不安定な調整が当たり前になり、これを何とかしようとして薬品依存を招いたようです。しかし、お客様はその効果に不信感をつのらせ、そして美容師(2017現在)さんはそれに気付かず、薬品依存が歴史的に続いているわけです。
(各調整の可視化には、施術安定が条件となります)
そもそも、この薬品依存と言う他力本願さがレベル低下を意味するのですが、美容師自体が自分のパーマを疑っていないため、レベル低下の自覚も、パーマ技術の閉塞感も気付いていないと、実験データを分析していた美容師(協会の元講師)が伝えて来たのです。これを協会は美容業界全体の問題と捉え、多くの方に喜んでもらえるパーマの紹介になればと、所有するデータのホームページ化に踏み切りました。