先ずは、従来のパーマの巻き方を簡単に説明します。



巻き方について。(ワインド法)

巻き方は大雑把に言って下図の3種類で、その中でお客様が知っておくべきことは、下図のどれに近い感じで巻かれているか… を確認することです。

この形の違いには意味があるのですが、その説明は後回しにして、左図のアップステムUS と中央のノーマルステムNS なら、他の施術に問題がない限り、無難で持ちも期待ができるのです。あとはHP内で紹介する、基本調整の精度が伴えば施術結果は大きく安定します。ワインドの内容はこんな感じですが、お分かりいただけたでしょうか…

 

従来からある巻き方とその動きの違い。

 

  アップステム(US)    ノーマルステム(NS)     ダウンステム(DS

 (ボリュームを求める巻き方)  (中間的なボリュームを求める巻き方)   (ボリュームを求めない巻き方) 


さて、このロットの納まる位置で根元の動きが変わるため、ボリュームの出方なども変わります。下図はその根元の動きを、横にして比較して見た図です。 

この根元の動きが形作りの土台になるわけですが、この巻き方の違いはパーマの優劣を現すものではなく、「何処にどう用いると効果的なのか…」と言う美容師の判断(読み)で優劣に変わるものです。ですからこの形を真似て巻くだけでは、効果は確実にならないため、個人差に対応する経験値が必要になります。

そのためお客様は、美容師の判断したパーマの結果を確認することになります。

 

さらにこの効果をパーマ中に確認にすることは出来ないため、ロットアウト時のかかり具合の観察は大切となります。ですからこれを知っている美容師は、ロットアウトのかかり具合を無意識に近い一瞬で確認するわけです。そしてこの確認がさらなる経験値となり、やがて技量と言う手応えに変わって行きます。

なお、図説する3つの動きをかかり具合で確認(適材適所)すると、出来た形との関連付けが出来るようになり、技術レベルを徐々に向上させる一部となります。

 

なお、プロは最低限もう2つ施術条件(有料情報で説明)を満たす必要があります。

 


従来のワインド超簡単詳細説明。

 

♬ アップステム(US) 主にボリュームを求める巻き方の代表的な形です。

 ※根元の動きを分かり易くするため、大きなベースを用いて説明を行います。

     

こんな光景を何となく見ていると思うのですが、ロットを巻くときはこんなふうに毛束を引き出します。



毛束の引き出し方は図のような感じで、頭皮に対してベースの前側に毛束を倒すと、100度以上の角度になります。これに薄いペーパーを密着させて、毛先をバラバラにならないように添わせてロットで挟んだ状態が下の図です。

 

毛先が折れた状態で髪を巻き込むと、パーマ後の指通りが悪くなるため、ペーパーを利用してバラバラになるのを防ぎます。


このような角度と段取りで巻き込むと、ベースの上端にロットが寄った感じにそろい、下図(横と上)のような納まり方のワインドになります。

 

このように整然と並ぶワインドを、マルチパーパスと言い従来のパーマでは万能巻きと呼ばれます。

(アップステムのカール形状)




♬ ノーマルステム(NS) 中間的なボリュームを求める巻き方の形です。


USNSDSはそれぞれに毛束を引き出す角度に違いがあるのですが、それが根元の動きの違いに変わります。



毛束の引き出し方は図のような感じで、頭皮に対してベースの中央を90度前後の角度に保ちます。これに薄いペーパーを密着させた状態が下の図です。

 

ロットを巻き込む瞬間の一コマですが、ペーパーの扱いは2つ折りにして用いるなど、施術者で色々です。



このような角度と段取りで巻き込むとベースの中央辺りにロットがそろい、下図(横と上)のような納まり方のワインドになります。


マルチパーパスが個人差にどの程度の効果を出すのか分かりませんが、誰にも合わないとも言えるのです。

(ノーマルステムのカール形状)



♬ ダウンステム(DS) ボリュームを抑える巻き方の代表的な形です。


巻き込み方の実際は、口で説明することが難しいため、見様見真似で覚えることになります。そのために手つきを見ることは重要です。 


毛束の引き出し方は図のような感じで、頭皮に対してベースの後側を90度に保ちます。そこに薄いペーパーを密着させて、毛束がバラバラにならないようにした状態が下の図です。


この状態より毛束を後ろに倒すと、さらに根元のかからない部分が多くなるため意味がありません。ですからこんな感じの毛束の角度がワインドの最終形となります。


このような角度と段取りで巻き込むと、ベースの下端にロットがそろい、下図(横と上)のような納まり方のワインドになります。


マルチパーパス的な巻き方は、常にベースを起点に巻き込むため、ロットが並行になりきれいに納まります。

(ダウンステムのカール形状)


 

 ベースの大きさと、巻き方についての情報。

毛束を取り出す大きさをベース幅と言い、ロットのサイズを基準に大きさを決めます。形(大体が長方形)は下の写真を見て頂くとして、短い側のサイズをロットの直径の1.5倍程度から2.5倍程度に取り巻くのが無難です。

ホームパーマをご利用のお客様は、このベース情報と、毛束の引き出し方のUSアップステム)NS(ノーマルステムを利用してロットを巻いてください。

 

 巻く力 。

巻く力(物理的力はパーマ技術の必須条件)は、地肌が痛くない程度に引くことが必要で、力を抜くと根元は動きませんし、薬量を増やす可能性を高めるからです。

もちろん薬品が付いていなければ、どう巻いても根元は動きません。

 

なお、ロットを外すまでどんな強さなのか分からない場合(予測不能)、毎回かかり具合が大きく違う場合(不安定な結果)、改善したい所が思うように改善(不安定な調整)できない場合、傷みが増加する場合(基本調整)、強くかけると根元にスライス痕が出る場合は、施術内容(薬品と道具の扱い方)の何処かに間違いが生じているのです。技術向上を狙う方は、このように考えることが必要となります。

 


では、実写のマルチパーパス従来型パーマで巻いたロットアウトと、新たなパーマで巻いたロットアウトを比較してみます。

上段、マルチパーパスです。(図説のようにきれいにカールが並んでいますね)


 

下段、新たなパーマで巻いたロットアウト。(かかり具合、セットに見えませんか)


同じモデルさんですが、マルチパーパスでこのセットに見間違うかかり具合を調整することは出来ません。その理由は巻き方(ワインド)に違いがあるからです。このセットのようなかかり具合に毎回調整(安定調整と言う)できると、パーマにセットのような効果が付加されて、スタイリングがとても楽になります。

では、従来型のワインドと新たなワインドは、何処が違うのか…  興味のある方は、データベース内の「新たなワインド」で確認をしてみてください。

なお、薬品扱いも重要な条件で、従来的な扱い方では安定調整はできません。

 

データベースを利用するには、会員登録が必要となります。

 

日本ピンパーム協会

中部事務局

 

代表 遠山千秋

 

 

 協会代表の挨拶。

 

新たなパーマ技術の発見と、

その性能。

 

私は日本ピンパーム協会中部事務局で代表を務める、遠山千秋と申します。協会発足当時から多くの美容師さんと関わる立場にあり、パーマの夢を語り合ったり、自らがモデルになりパーマを体験して来ました。そのパーマの理想が、シャンプー後のスタイリングの楽さ(楽さ、長持ち)と、格好の良さ(デザイン性)でした。

このようなパーマの内容が提供されれば誰もが嬉しく、これなら後世に残るパーマ技術になると確信します。しかし実際はと言うと、この内容のパーマがなかなか提供されず、おしゃれコストだけが突出してしまい、パーマ人口は大幅に低下してしまいました。

 

協会も発足当時からこの夢の実現のため、多くの美容師さんに情報の伝達を続けながら縁をつないで来ました。しかし技術レベルのアップははかどらず、私の心配は的中して2013年の段階で昭和40年代のパーマ人口にまで激減してしまいました。(日本パーマネント液工業組合の表で確認を行う)

 

そんな中、縁を持った一人の美容師さんが「こんなことが出来るようになった」と、あるパーマを見せてくれたのです。それがここで紹介するパーマ技術の原型です。この技術は私の知るパーマの常識をことごとく覆す内容を持っていて、その内容と結果に私はしばし言葉を失いました。その具体的な施術が、強さ、根元、傷みの3つに分類した基本調整です。

 

※実は、従来のパーマにこの調整を詳細に説明した文献はありません。個人技で理想に近い結果を提供する美容師さんは少数あるのですが、説明が…

 

技術開発には約15年を要したそうで、そのかいがあり従来のパーマ技術に‟解かれていない理論“を見つけることができたとのことです。また実際に傷みの少なさを目の当たりにした私は、基本技術の大切さを改めて見直します。さらにこの発見で従来パーマの不安定さも解決することが分かり、この新たな基本技術に私自身も大変ビックリしております。

  

しかし、この技術を開発した美容師さんは留まる事なく、2006年頃から施術内容の視覚化に取り組んでいたのです。それが各調整で紹介する、動きの見えるテスト、根元の動き、艶による傷みの確認と、持続性の追跡調査等です。 

 

さて、巷には色々なパーマの応用技術があるのですが、結果として「毎回違うかかり具合」「直ぐに取れる」「チリチリになる」「バサバサになる」「楽にならない」などを感じたら、それが基本に問題のあるメッセージとなります。極端な違いや不安定さを感じる場合は、各調整のどれか、あるいは全てに問題が出ている可能性が高くなります。この状態の時、紹介した調整の動きは見えません。

 

そんなことも、このパーマ技術の開発で分かるようになりました。

なお、この現象はピンパームにもロットにも共通する、パーマの普遍的な基本技術です。

 

日本ピンパーム協会の有料会員に登録して頂くと、さらに詳細な情報が分かります。 

 

 

 

 

この技術データはサイクル化(下図)して、絞り込まれて更なる質の向上に貢献するデータを提案します。

 

また、このパーマ技術は、高い安全性と環境に優しい能力を備えながら、さらに省資源やエコ化にも貢献します。