(特大のカールを作る基本技術)

 


●すすぎ後の感じ。


このかかり具合は、クルっとした特大のカールのすすぎ後です。クルっとかかったパーマですが、弱いパーマであることがわかりますね!

 

 

§ この施術は、根元の調整で紹介した特大カールの詳細です。

 

では、横、後、上を紹介します。

 

後。

 

上。

各写真の比較から、色々な現象が見えますね! 

●細いロットで、大きなカールの作れること。

クルットとしたカールなのに、強くないこと。

●ウェット&ドライでパーマの表情が変わること。

カット後とパーマ後の雰囲気の違いなど…  

また、ロットの配列やベース形状などの詳細もわかります。

ただし、従来的なパーマの考え方のまま、この巻き方を真似ても特大のカールや根元の動きは得られませんのでご注意ください。

※新たなパーマ技術のルールが必要です。

※ロットは9㎜で巻き数は24本、髪の長さの最長部18.5cm、最短部6.5cmです。

 

 

§ ロットアウト後のサイズの確認。

 

では、カールサイズをロットアウトのカールで比較確認してみます。比較に使ったものはセット用の青いカーラーで、サイズは36ミリくらいあるようです。

なお、目的のカールサイズを自動的に調整する道具(薬品や器具)はないため、この強さ調整は美容師基本調整の精度の技量が頼りとなります。

 

 

§ 次は、そのテストカールとロットアウトのカールを確認してみます。

強さの調整で説明したように、時間とともに毛先が巻き込まれカールの小さくなる様子が写っていますね! 従来的なテストカールとは、確認方法(見方)が違うのでご注意ください。(ロットアウトのカールサイズは40ミリ前後ありました)

 

 

前。

ただし、このように弱いパーマは、根元の動きも弱いため、カールの表情に比べて得られるボリュームは小さいのです。

 

強さの判断は形を優先するか、持続性を優先するのかで変わるのですが、このケースは形を優先したため、特大カールの調整と根元を軽く動かすことに目標を置き、持続性は二の次としました。また、すすぎ後(正面)の毛先のハネも、水気を飛ばしている内におとなしく納まりました。

このような現象から、基本調整がバランスよく機能して効果的に働いていることがわかります。ですから、ブローが必要なパーマは、基本調整のどれか、あるいは全て(含カット)に問題のある可能性疑わなくてはなりません。

※特殊な髪や傷み過ぎた髪は施術に問題がなくても、上手く行かない場合があります。

 

しかし、このような調整が出来ると、数種類のロットで目的のカールサイズが作れるため、多くの種類のロットをそろえる必要はなくなります。

もちろん、ピンパーム(オールウェーブ)で述べるように、形の目標がないと強さを決めることが出来ません。そのためこのパーマも強さの目標を先に決めてから施術に入りましたが、お客様の希望を明確にイメージすることは難しいため、先ずはこの強さを提案して次回に備えます。

ただし、次回の要望に備えるには、前回の施術データをある程度の精度で再現する美容師の腕(強さの微調整&カット)と、内容を正確に記録したカルテと、そこから得られた改善案を実行することが必要になります。

※ロットは9㎜で巻き数は26本、カールサイズは41mmです。(カルテ調べ)

(このカルテと美容師の腕は、パーマ技術全般に共通する条件となります)

 

 

この作品に使用した主なパーマの調整内容。

◆細いロットによる特大のカール作り。(安定した調整が条件)

◆目標とするカールサイズをベースサイズに合わせる強さの調整。(幅の利用)

◆強さ、根元、傷みを調整する、基本調整の実施。

◆微妙な髪の動きや、柔らかさを演出する調整。(髪条件や状態で使い分け)

◆強さの微調整を確実にする、見えるテストの実践。(順調なテストが必要)

 

データベースを利用するには、会員登録が必要となります。

 

日本ピンパーム協会

中部事務局

 

代表 遠山千秋

 

 

 協会代表の挨拶。

 

新たなパーマ技術の発見と、

その性能。

 

私は日本ピンパーム協会中部事務局で代表を務める、遠山千秋と申します。協会発足当時から多くの美容師さんと関わる立場にあり、パーマの夢を語り合ったり、自らがモデルになりパーマを体験して来ました。そのパーマの理想が、シャンプー後のスタイリングの楽さ(楽さ、長持ち)と、格好の良さ(デザイン性)でした。

このようなパーマの内容が提供されれば誰もが嬉しく、これなら後世に残るパーマ技術になると確信します。しかし実際はと言うと、この内容のパーマがなかなか提供されず、おしゃれコストだけが突出してしまい、パーマ人口は大幅に低下してしまいました。

 

協会も発足当時からこの夢の実現のため、多くの美容師さんに情報の伝達を続けながら縁をつないで来ました。しかし技術レベルのアップははかどらず、私の心配は的中して2013年の段階で昭和40年代のパーマ人口にまで激減してしまいました。(日本パーマネント液工業組合の表で確認を行う)

 

そんな中、縁を持った一人の美容師さんが「こんなことが出来るようになった」と、あるパーマを見せてくれたのです。それがここで紹介するパーマ技術の原型です。この技術は私の知るパーマの常識をことごとく覆す内容を持っていて、その内容と結果に私はしばし言葉を失いました。その具体的な施術が、強さ、根元、傷みの3つに分類した基本調整です。

 

※実は、従来のパーマにこの調整を詳細に説明した文献はありません。個人技で理想に近い結果を提供する美容師さんは少数あるのですが、説明が…

 

技術開発には約15年を要したそうで、そのかいがあり従来のパーマ技術に‟解かれていない理論“を見つけることができたとのことです。また実際に傷みの少なさを目の当たりにした私は、基本技術の大切さを改めて見直します。さらにこの発見で従来パーマの不安定さも解決することが分かり、この新たな基本技術に私自身も大変ビックリしております。

  

しかし、この技術を開発した美容師さんは留まる事なく、2006年頃から施術内容の視覚化に取り組んでいたのです。それが各調整で紹介する、動きの見えるテスト、根元の動き、艶による傷みの確認と、持続性の追跡調査等です。 

 

さて、巷には色々なパーマの応用技術があるのですが、結果として「毎回違うかかり具合」「直ぐに取れる」「チリチリになる」「バサバサになる」「楽にならない」などを感じたら、それが基本に問題のあるメッセージとなります。極端な違いや不安定さを感じる場合は、各調整のどれか、あるいは全てに問題が出ている可能性が高くなります。この状態の時、紹介した調整の動きは見えません。

 

そんなことも、このパーマ技術の開発で分かるようになりました。

なお、この現象はピンパームにもロットにも共通する、パーマの普遍的な基本技術です。

 

日本ピンパーム協会の有料会員に登録して頂くと、さらに詳細な情報が分かります。 

 

 

 

 

この技術データはサイクル化(下図)して、絞り込まれて更なる質の向上に貢献するデータを提案します。

 

また、このパーマ技術は、高い安全性と環境に優しい能力を備えながら、さらに省資源やエコ化にも貢献します。